2014年1月1日水曜日

勝手に選ぶ2013年の10大ニュース - 国内編

今年の大ニュースは基本的に、第2次安倍内閣成立による影響である。

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第1位:アベノミクス

昨年末に成立した安倍政権と、黒田東彦が総裁に就任した日銀との協力により、デフレ脱却を主な目的とした大規模な金融緩和と財政出動とを2本柱とする金融・経済政策「アベノミクス」が開始された。このアベノミクスにより、今年初めには1ドル=80円台後半だったドル円レートが年末には1ドル=105円台に到達するほどの円安が進行、日経平均株価も16000円台に達するなど、市場に大きな変化が起こった。企業業績も軒並み改善している。しかし、この企業業績の改善は、主に円安による為替差益によるものとみられ、肝心のデフレ脱却による景気回復が実現されるか余談を許さない。また、「3本の矢」の3本目となる「成長戦略」の中身に対する失望感も市場に広がっている。


第2位:尖閣諸島問題

2010年9月の中国漁船衝突事件以来、日中間の緊張が増す一方の尖角諸島問題であるが、今年1月には中国海軍のフリゲート艦が海上自衛隊の護衛艦に対して火器管制レーターを照射するという事件が起きた。また10月には、中国の無人機が領空侵犯した場合の対応として撃墜もありうることを安部首相が明言した。11月には中国空軍が尖閣諸島上空を含める形で防空識別圏の設定を発表、中国側の公告では、防空識別圏を領空に準ずる扱いをすることを明記しているため、国際的にも大きな問題となった。なお、この中国側の発表の当日に中国側と日本側の防空識別圏の重複空域において、航空自衛隊のF-15Jが通常の手続き通りスクランブル発進を行い、その数日には米軍のB-52爆撃機が戦闘機の護衛をつけずに圏内を飛行、中国側からのスクランブル発進等はなかった。


第3位:国家安全保障体制の強化

6月、各国の国家安全保障会議と協議するための機関として国家安全保障会議の設立のための法案が成立、事務局として国家安全保障局を設置することが決定し、初代局長として元外務事務次官の谷内正太郎氏が内定した。さらに10月には、各国との機密情報共有を円滑にするために特定秘密保護法が成立するなど、国家安全保障体制が強化された。また安倍政権は、アメリカの支持のもと、現行憲法下での集団的自衛権行使容認の方向に向けて調整をすすめている。


第4位:東京オリンピック開催決定

9月、国際オリンピック委員会(IOC)総会において、2020年夏季オリンピックの会場として、東京が選出された。


第5位:沖縄県知事、辺野古埋め立て承認

鳩山政権が普天間基地の県外移設を掲げて以来、混乱を極めていた辺野古への移設計画であるが、今年末に仲井眞・沖縄県知事が辺野古の埋め立て計画を承認した。仲井眞知事は、今回の承認は申請に出された辺野古の埋め立て計画を事務的に処理しただけであり、県外移設を求めていく方向に変わりはない、と宣言しているが、事実上、辺野古への米軍基地移設の容認となるのではないかとみられている。


第6位:駐日米大使にケネディ米大統領の娘キャロライン・ケネディ氏就任

春頃より、前任のジョン・ルース駐日米大使の公認として、ケネディ米大統領の娘キャロライン・ケネディ氏の名前が浮上し、7月にホワイトハウスより正式発表があった。10月には議会での承認も受け、11月より駐日大使に就任、ビッグネームの起用により日米関係の親密さがアピールされた。


第7位:福島第一原発汚染水漏れ

2011年の福島第一原発事故の収束作業が続く福島第一原発で、放射性物質を含んだ汚染水が漏出している。安部首相は2020年夏季五輪に向けたIOCに対するプレゼンテーションにおいて、汚染水は完全にコントロール下にあると宣言したが、汚染水問題対策は依然として迷走を続けている。


第8位:徳洲会事件(猪瀬直樹・東京都知事辞職)

日本最大の医療グループである徳洲会から、昨年12月の衆院選の際に複数の議員に対して不正な資金提供があったことが発覚、徳洲会グループ関係者数人が逮捕されるとともに、徳洲会出身の徳田毅議員が自民党を離党することとなった。さらに、東京都知事の猪瀬直樹氏も徳洲会グループから不正な資金提供を受けていたことが発覚、猪瀬知事の辞任へとつながった。


第9位:韓国軍のPKO部隊への弾薬供給

南スーダンでPKO活動を展開中の韓国軍部隊からの要請を受け、自衛隊のPKO部隊が韓国軍部隊に弾薬を供給した。これは外国軍部隊への武器の供給にあたるため、武器輸出三原則の緩和に向けた布石であると同時に、集団的自衛権行使容認に向けた布石とであるとみなされた。一方、韓国側からは悪化する日韓関係を受けて、弾薬支援に対する強い反発の声が出ている。


第10位:日ロ関係

日本の安部首相とロシアのプーチン大統領は、今年だけで4回もの首脳会談を行い、北方領土問題の早期解決を目指すことや外務・防衛閣僚級会談「2+2」を開催することで一致するなど、日ロ関係の親密さがアピールされた。


その他:

消費税増税、来年4月から8%に引き上げ決定
TPP交渉参加表明
飯島勲・内閣官房参与の訪朝、朝鮮労働党内序列2位の金永南・最高人民会議常任委員会委員長との会談
安部首相による靖国神社参拝
日・トルコ原子力協定
伊豆大島での台風被害
埼玉・千葉での竜巻被害
冷えきった日韓関係
アルジェリア人質拘束事件

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